1nm以下の微細化を目指して――MITら、半金属と2次元単層半導体の超低接触抵抗を実現

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マサチューセッツ工科大学、国立台湾大学、半導体製造受託企業であるTSMCらの共同研究チームは、半金属のビスマスと2次元単層半導体の遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)間の超低接触抵抗を実現した。1nm以下の超微細プロセスの実現可能性に近づくもので、研究成果は2021年5月21日付けの『nature』誌に掲載されている。

金属と半導体の界面における接触抵抗は、電子デバイスの微細化と性能向上の妨げとなる。さらなる微細化を進めるためには、チャネル材料だけでなく、接触面の超低抵抗化を実現する必要がある。

トランジスタを微細化するための手段として、大きく2つのアプローチがある。ひとつは現在主流のFinFETに見られるように、Siベースの技術でトランジスタの構造を再設計することだ。もうひとつは、半導体材料をSiから超薄型で半導体特性が優れたものに変えるものだ。二硫化モリブデン(MoS2)のような2次元材料は本質的に単層材料であり、ダングリングボンド(原子における未結合手)がない。理論的には、2次元単層半導体を使用すると、微細化を妨げる要因となる3次元半導体における短チャネル効果を克服し、サブナノメートル領域に到達することができるとされている。

しかし、実際にこの理想的なシナリオに到達するのは困難だ。2次元単層半導体の最大の問題は、金属電極と2次元単層半導体材料(例えばMoS2)の間の接触抵抗だ。この抵抗の主な要素は、金属の仕事関数と半導体の電子親和力のエネルギー差及びMIGS(Metal induced gap states)が原因となるフェルミ準位のピンニングにより、金属電極と半導体の間に形成されるエネルギー障壁、いわゆるショットキー障壁である。ショットキー障壁は2次元単層半導体で問題になっていたが、完全に取り除く方法はなかった。

研究者らは、半金属ビスマスとMoS2などの2次元単層半導体のTMDを、超低抵抗で整流作用が起きないオーミック接触を形成することで、MIGSを十分に抑制し、ビスマスとの接触によりTMDの縮退状態を自発的に形成させることに成功した。この方法により、単層のMoS2において、ショットキー障壁の高さはゼロ、接触抵抗は123Ωμm、オン状態の電流密度は1135μA/μm2を達成した。また、MoS2、WS2、WSe2など、さまざまな2次元単層半導体上に優れたオーミック接触を形成できることも実証した。この技術は、最先端の3次元半導体と同等の高性能2次元半導体の可能性を明らかにし、さらなるデバイスの微細化を実現することで、ムーアの法則の限界をさらに引き延ばす可能性が指摘されている。

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