水素燃料を海水から採取するナノ材料を開発――非貴金属を用いて高効率/高安定の電気分解を実現

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米セントラルフロリダ大学(UCF)の研究チームは、海水を酸素と水素に効率的に分解できるナノ材料を開発した。水を水素と酸素に分解するプロセスは電気分解として知られているが、豊富に存在する非貴金属を用いた場合、効率や安定性が悪いという技術的課題があった。

水素は燃料電池技術により電気に変換され、その際、水を生成物として発生することはよく知られている。つまり、完全にサステナブルなエネルギーサイクルである。しかし、安価で効率的で安定性のある水素製造プロセスがなかったため、クリーンエネルギーサイクルとして確立するためには技術的な課題があった。

UCFの研究チームは、セレン化ニッケルに、鉄とリンを添加し表面にナノ構造をもつ薄膜材料を開発。この薄膜材料を触媒電極として利用した電気分解は、低コストかつ産業スケールの電気分解に必要な高いパフォーマンスと安定性を実現し、高い効率で200時間以上の長期安定性を達成。産業用途において必要とされる要件を満たしたという。

この水素製造技術を基に水素エネルギーサイクルを確立すれば、気候変動に対する大きな役割を担う可能性がある。研究チームは、開発した材料の反応効率を改善する研究を進めるとともに、商用化の機会とファンドを探している。

研究成果は、2021年7月8日付の『Advanced Materials』に発表された。

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