- 2021-11-4
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- BFree, EHハードウェア(BFree Shield), IoT, Python, UbiComp 2021, エネルギーハーベスティング(EH), デルフト工科大, ノースウエスタン大学, バッテリーフリー電子デバイス, 学術
ノースウエスタン大学とデルフト工科大の共同研究チームが、エネルギーハーベスティング(EH)を利用したバッテリーフリー電子デバイスを作ることのできる新しいプラットフォーム「BFree」を開発した。
BFreeは、EHハードウェア(BFree Shield)と、プログラミング言語であるPythonによるソフトウェアモジュールからなる。この技術を用いれば、プログラミングの初心者でも、自作バッテリーデバイスをバッテリーフリーのEHデバイスに変えることができる。
デバイスが電池を使わずEHに頼るときの問題点は、電力供給が一定でないということである。通常、この問題を解決するために電力バッファとしてキャパシタを用いる。従来のEHデバイスでは、キャパシタに充電する際、制御装置が数秒間初期化され、全てのメモリを失い、一番最初から再び始める必要があった。
BFreeの制御プロセスは、充電などで電力が途切れているときにプロセスを中止し、電力が復活すれば、メモリを失うことなく一度中止したところから自動的に始めるというもの。これは、エネルギーを節約するだけでなく、ユーザーにとっても連続的に運転されていることになり、直観的に分かりやすいのだという。EHデバイスの連続運転に関するシステムは、ユーザーからは不可視化されている。自作のバッテリーフリーEHデバイスを作るには幾つかの必要なハードウェアを組み合わせて、あとはPythonでデバイスを駆動する好きなプログラムを作るだけである。
将来、IoTで 1兆台ものデバイスを使うことになるといわれている。つまり、1兆もの電池切れ、あるいは、1億人が数分ごとに切れた電池を取り換えることを意味する。これは環境に対しても非常に大きな負荷になる。研究者らは、誰もが持続可能な方法でデバイスをプログラムできるようにしたいと考えているという。
この研究内容は、2021年9月22日(米国東部標準時)にUbiComp 2021で発表された。