米ジョージア大、植物由来の航空燃料でCO2排出量を最大68%削減可能と試算

Photo by Bill Anderson

米ジョージア大学のPuneet Dwivedi准教授率いる研究チームが、石油由来の航空燃料を植物由来の航空燃料に置き換えることで、CO2排出量を最大68%削減できるとの研究結果を公表した。

航空産業のCO2排出量は世界全体の排出量のうち2.5%を占めており、脱炭素化が課題となっている。持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)として、研究チームはエチオピアマスタードとも呼ばれるアブラナ科のアビシニアガラシを用いて試算を行った。アビシニアガラシは冬の寒さが厳しくないアメリカ南部でオフシーズンに当たる冬期に栽培できるため他の農作物と競合せず、地域の新たな収益機会になると見込む。

研究チームはSAFの実現可能性を探るため、SAFの損益分岐点などを試算した。試算によると、現行の経済的および市場インセンティブの有無などによって、SAFの価格は1リットル当たり0.12~1.28ドルの幅があった。石油由来の航空燃料価格は1リットル当たり0.50ドルで、現行の経済的インセンティブを分析に含めた場合、SAF価格よりは高くなる結果となった。

SAFの生産は政策による支援を得られる可能性もある。バイデン米大統領は、2021年9月に、持続可能な燃料の税額控除を提案した。この税額控除は、ライフサイクルにおけるCO2排出量を50%以上削減することが条件となっているが、研究チームの試算によると、アビニシアガラシ由来のSAFはこの基準を達成可能であるとのことで、SAF生産には追い風となっている。

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Plant-based jet fuel could reduce emissions by 68%

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