アンモニアで航空機もゼロカーボンに――コンパクトなアンモニア分解装置を開発

イギリスのReaction EnginesとIPグループ、科学技術施設会議(STFC)は、軽量でコンパクトなアンモニア分解反応装置を製造するための合弁会社を設立すると発表した。

アンモニアは水素とともに、ゼロカーボン実現のための炭素系燃料の代替物として利用可能だ。水素よりもはるかに貯蔵や輸送が容易でコストも安い。Reaction Enginesは2020年から、同社の熱交換技術をSTFCの最先端の触媒と組み合わせてガスタービンや内燃機関で水素と混合燃焼させることで、アンモニアを航空機向けの燃料として利用できるかどうかの検証を進めてきた。そしてこの度、実装開発へ向けて、合弁会社設立に踏み切る形となった。

同合弁会社によると、航空機や船舶などに加え、発電施設のストランドグリッドやオフグリッドなどの脱炭素化が困難な分野でも、このアンモニア分解装置による水素とアンモニアの混合燃焼技術は、既存の設備をゼロカーボン燃料へと移行していくための有力な候補となる。

Reaction Enginesは今後、最先端の触媒技術を持つSTFCおよび、資金力やベンチャー企業育成の専門知識を有するIPグループと協力し、このアンモニア分解装置を、宇宙旅行や極超音速飛行のために設計されたエンジン「SABRE」に実装するべく開発を進めていくとしている。

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