- 2022-1-19
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- ドロップイン燃料, ボーイング737 MAX 8旅客機, ユナイテッド航空, 石油, 米エネルギー省, 脱炭素化, 航空燃料, 航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)
ユナイテッド航空は、2021年12月1日、石油以外を原料とする航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)のみを使った初フライトに成功したと発表した。同社によると、SAFを100%使って旅客を乗せた民間航空機が飛行するのは航空史上初めてで、2021年12月1日(米国中部時間)に100人超を乗せたボーイング737 MAX 8旅客機はシカゴのシカゴ・オヘア国際空港を離陸し、ワシントンD.C.のロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港に着陸した。
現行の規制ではフライトに際してのSAF使用上限が50%となっているため、片方のエンジンに500ガロン(約1900リットル)のSAFを、もう一方のエンジンに従来のジェット燃料を500ガロン搭載してフライトに臨んだ。搭載されたSAFは従来のジェット燃料とも混ぜて使えるドロップイン燃料で、既存の航空機と互換性がある。ユナイテッド航空は、今回のデモンストレーション飛行が従来の航空燃料とSAFとの間には運用上の差がないことを実証し、将来的に全ての航空会社がSAFの使用を今後増大させるきっかけになるとしている。
米エネルギー省によると、アメリカの航空業界全体の燃料需要予測を十分満たせるほど、アメリカ国内にはSAFの原料資源が膨大に存在するとされており、業界の脱炭素化に向けてSAFの活用が期待されている。ユナイテッド航空は、他の世界的な航空会社がこれまでに公表しているSAF購入契約量を全て合算しても、その2倍近い量のSAF購入契約を既に締結しており、SAF使用と開発支援において世界をリードしている。