- 2022-1-21
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- Markus Schafer, Mercedes AMG High Performance Powertrains, Mercedes-Benz, VISION EQXX, フォーミュラ1, フォーミュラE, ワールドプレミア, 消費電力(kWh), 電動モビリティ, 電気自動車
Mercedes-BenzのMarkus Schafer CTOは、SNSへの投稿で、航続距離620マイル(約1,000km)超えを実現予定の電気自動車「VISION EQXX」のワールドプレミアを2022年1月3日に行うと発表した。以前から電気自動車の開発に取り組んできた同社において、VISION EQXXはこれまでに製造した中で最も走行効率の良いモデルだという。
Schafer氏は「業界全体が、自動車というものを電動モビリティの観点から考え直す必要がある。自動車には130年に渡る開発の歴史があり、私たちが成し遂げてきたものは素晴らしいが、電気自動車の開発はもっとスピーディーに進めなければならない」と述べ、VISION EQXXプロジェクトで、「実際の道路状況のもと、1回の充電で1,000kmの距離を走行できるコンパクトクラスの電気自動車を作る。そのため、通常の高速道路走行100kmあたりの消費電力(kWh)は1桁台を目指す」としている。
VISION EQXXは、Mercedes-Benzが2021年7月に発表した、2030年までにすべて電動化するというプロジェクトの一部であり、単なるショーカーではなく、製品化を視野に入れた技術計画だという。
エネルギー効率、車両コンセプト開発、eDriveシステム、ソフトウェア、設計などの部門を超えた多岐に渡る分野の専門家が協力して開発にあたり、Mercedes-Benzのレース活動においてフォーミュラ1/フォーミュラEでパワーユニットを供給しているMercedes AMG High Performance Powertrainsも開発プロジェクトに参加している。
Schafer CTOは「我々のF1のスペシャリストからのサポートは非常に貴重で、特に電動技術において強みとなってくれるだろう」と期待を寄せている。
また、「ワールドプレミアまでまだ数週間あるため、あまり多くを明かしたくはない」としながら、「市販車として最も低い空気抵抗係数を誇るEVセダン『EQS』の0.20を下回り、さらに、バッテリーのセルレベルでのエネルギー密度をEQS比で20%向上させるべく開発に取り組んでいる」と述べ、消費電力と航続距離に加え、空気抵抗の面でもさらに改善していきたい考えを示した。
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Mercedes-Benz CTOのLinkedIn
Digital World Premiere Mercedes-Benz VISION EQXX