熱物性情報を体系化したデータベースシステム「PropertiesDB Web」を公開 NEDOら

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2022年1月24日、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)、産業技術総合研究所と共同で、熱関連材料の熱物性情報および関連データを体系化したデータベースシステム「PropertiesDB Web」を開発し、TherMATのWebサイト上で公開したと発表した。

廃棄熱(未利用熱)の有効活用などを推進するための熱マネジメント技術の基盤となる研究開発が求められている。同研究においてはさまざまな熱関連材料が対象となるが、同材料の研究を進めるためには、要求を満たす熱物性値を持つ物質の探索や、新たな物質を部素材とするモジュール設計に必要な詳細かつ体系的な物性情報が必要になる。しかしこれまで、熱関連材料の基になる物質の化学組成情報のデータベースは存在していたが、熱物性情報を体系的整備したデータベースは存在しなかった。

今回共同開発したPropertiesDB Webは、「SpringerMaterialsを通して提供されているLandolt-Börnstein」、「The NBS table of chemical thermodynamics」、および「電子技術総合研究所調査報告書第196号(蓄熱および蓄熱材に関する調査報告)」の3文献の熱物性情報を収集、整理し収録。これらの情報を統一したデータ構造で管理できるようにした。これにより登録データ間での相互参照も可能になった。また、収録データの2次元相関を表示でき、標準熱力学データなどの2次元的分布を検索画面上に表示することもできる。

公開した「PropertiesDB Web」

従来、熱物性値はさまざまな文献等に分散して記載されており、同データの検索に多くの時間を要していたが、PropertiesDB Webによってこれらの問題を解消。今後の新規材料開発やモジュール開発に活用されることが期待されるという。

NEDOらは今後、収録する熱物性値の追加や、熱物性情報と物質構造情報を併用したデータ検索を実現するなど、同データベースの拡充を図っていく。

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