- 2022-3-16
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- NASA, Super Guppy, アルテミス計画有人宇宙飛行ミッション, エイムズ研究センター, オリオン宇宙船, ヒートシールドスキン, モフェット連邦飛行場, ロッキードマーティン
NASAは2021年11月9日、オリオン宇宙船に装着するヒートシールドスキンをエイムズ研究センター近くのモフェット連邦飛行場へ輸送し、次の生産段階に備えた。オーバーサイズの物資輸送に特化した広胴貨物機「Super Guppy」で輸送したこのヒートシールドスキンは、有人月面着陸を目指すアルテミス計画有人宇宙飛行ミッション(2025年)で活躍予定だ。
ヒートシールドは、宇宙船が地球の大気圏に再突入する際に発生する熱から、宇宙船と宇宙飛行士を保護するものだ。宇宙船が時速約2万5000マイル(時速約4万km)で大気圏に再突入すると、ヒートシールドは約2800℃にもなる。ヒートシールドの基盤となるチタン骨格はカーボンファイバーのスキンでカバーされ、大気圏突入時に徐々に燃え尽きる。
輸送されたヒートシールドスキンは、ロッキードマーティンの施設にて熱処理および圧力処理され、オリオン宇宙船の熱保護システムに求められる機械的強度が付加されることになる。この直径16.5フィート(約5m)のヒートシールドスキンは、これまで開発された中で最大サイズのもの。NASAでは、製造後すでに50年以上が経過し、アポロ計画当時から運用を続けるこのSuper Guppy以外に、輸送手段はないという。
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