高感度領域で測定範囲を広げた、セキュリティ/医療分野向けワイドレンジ型MIセンサを開発 愛知製鋼

愛知製鋼は2022年6月21日、セキュリティ/医療分野に向けたワイドレンジ型MIセンサの技術開発に成功し、サンプル販売を開始した。地磁気程度の磁場環境だけでなく、周囲に強い磁場がある環境でも微小磁気を検出できる。

開発品は、セキュリティ/医療分野に応用すべく、2030年を目標にMIセンサの高性能化に取り組んでいる同社が、成果の一環として開発に成功。アモルファスワイヤに、MIセンサの出力の一部を磁気として帰還させ、測定範囲を拡張している。

一般的に同技術の実装には、MIセンサ出力を担うコイルと磁気の帰還用コイルの2つが必要となるが、新たな技術として「磁気フィードバック技術」を開発することで、高感度と広い測定範囲を1つのコイルで両立している。これにより、強力な磁気を発するMRI検査室周辺での金属検知や、製造ラインでの異物混入検知、磁気式セキュリティゲートなどへの応用が期待される。

測定範囲を拡張する「磁気フィードバック技術」

MIセンサは、名古屋大学の毛利佳年雄名誉教授が1993年に発見したMI原理をもとに、同社の材料/磁性/表面処理技術を応用して量産化した、極めて高感度な磁気センサで、携帯電話向け電子コンパス用途を中心に販売している。

近年は、微小磁気を検出する需要がセキュリティや医療分野で高まっており、同社は電子コンパス用途よりもさらに高感度な製品(Type DH)を提供してきたが、周囲に強い磁場がある環境への対応が求められていた。しかし、技術的に両立が困難な高感度と広い測定範囲(ワイドレンジ)を兼ね備えた磁気センサが必要だったため、今回のワイドレンジ型MIセンサを開発した。

同社は今後、さらなるMIセンサの高性能化を目指す。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る