川崎重工は2022年8月2日、30MW級ガスタービン「L30A」向けに水素を体積比30%までの割合で天然ガスと混焼するDLE(Dry Low Emission)燃焼器の販売を開始したと発表した。
同燃焼器は、希薄予混合燃焼と追焚き燃焼を組み合わせた同社独自の方式を用いている。
希薄予混合燃焼とは、予め燃料と空気を均一に混合した希薄予混合気を燃焼器に噴射して燃焼させる手法で、局所的に高温となる箇所をなくすことで、NOx(窒素酸化物)の発生を削減する。
追焚き燃焼は、燃料を希薄予混合燃焼下流に投入して燃焼させる手法だ。追焚き燃料を調整することで、希薄予混合燃焼を安定させたまま出力を変えられるため、NOx排出量を安定して低く保持できる。
同燃焼器は、ガスタービン本体を改造せずに実装可能。水素圧縮機や燃料混合システムなどを追加することで、既存システムの機器を用いて水素を混焼できる。
同社は、既に8MW級「M7A-03D」および1.8MW級「M1A-17D」向けに同燃焼器を市場投入しており、今回は3機種目となる。