スペインのSiemens Gamesaが陸上風力発電向けのリサイクル可能な風力タービンブレードを発表

スペインに本拠地を置く風力発電機製造大手のSiemens Gamesa Renewable Energy(以下、Siemens Gamesa)は、陸上風力発電プロジェクト用のリサイクル可能な風力タービンブレード「RecyclableBlade」を発表した。

同社は、2021年9月に洋上風力発電用のRecyclableBladeを既に発売しており、2022年7月にはドイツの再生可能エネルギー大手であるRWE RenewablesがRecyclableBladeをカスカジ洋上風力発電所に採用し、運転を開始している。

RecyclableBladeが発売されるまで、耐用年数終了後に風力タービンブレードのコンポーネントをリサイクルすることは難しかった。樹脂、ガラス、カーボンファイバーなどの複合材料から作られるタービンブレードは、樹脂が硬化して全てのコンポーネントを結合するため、コンポーネントと樹脂の分離が困難だったからだ。そのため、風力発電機の約85%は完全にリサイクルできるようになっていたにもかかわらず、多くのタービンブレードは埋め立てごみとして廃棄処理されていた。

RecyclableBladeには新しいタイプの樹脂を使用しており、耐用年数終了後に、加熱した弱酸性溶液に浸すと、樹脂とその他の材料を分離できる。分離して回収された材料は、建設、消費財、自動車産業など、他の産業用途への再利用ができるという。

Siemens Gamesaは、陸上風力発電用RecyclableBladeの製品化により、遅くとも2040年までに完全にリサイクル可能な風力タービンを実現することを主要目標としている。同社のCOO兼チーフ・サステナビリティ・オフィサーであるTim Dawidowsky氏は、「Siemens Gamesaの風力発電ソリューションにより、世界中の国々がネットゼロカーボン排出目標を達成できるよう支援し続けていきたい」と述べた。

Siemens Gamesaは、世界初の完全リサイクル可能なブレード開発に加え、風力エネルギー業界団体のWindEuropeや他の業界大手企業と協力し、ヨーロッパ全体でブレードの埋め立て廃棄処理を禁止するよう呼びかけている。

関連リンク

Commanding circularity: Siemens Gamesa announces RecyclableBlade for onshore wind power projects

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る