- 2023-7-26
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- BEV(電気自動車), PHEV(プラグインハイブリッド車), xEV, ネオジム, フェライト, プロテリアル, 渦電流損失, 磁石モーター, 駆動モーター
プロテリアルは2023年7月24日、フェライト磁石モーターの実機を試作し、100kW超の出力が得られることを確認したと発表した。BEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)に適用可能な出力レベルとなっている。
従来xEVの駆動モーターや発電機においては、ネオジム磁石モーターが用いられている。ネオジム磁石は、ネオジムやジスプロシウム、テルビウムといったレアアースを使用することから、資源リスクが懸念されていた。
同社は2022年12月、フェライト磁石モーターを最適化設計することで、ネオジム磁石モーターと同レベルの出力が得られることをシミュレーションで確認したと発表している。今回はこの結果に基づき、フェライト磁石モーターの実機を試作した。
性能試験を実施したところ、102kWの出力が得られることが判明した。シミュレーション結果の105kWより劣るものの、BEVやPHEVに適用可能なレベルとなっている。また、最大トルクは0.63となった(ネオジム磁石モーターを1とした場合。シミュレーション結果は0.66)。
なお、フェライト磁石はネオジム磁石と比べて電気抵抗が高く、モーター高速回転時の渦電流損失も抑制できる。
同社は今後、シミュレーション結果と実機試験結果の差異を検証し、さらなる性能向上を図る。