- 2023-2-22
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- C-O結合, C-Si結合, SDGs, カーボンニュートラル, ポリエステル, 廃棄プラスチック問題, 有機ケイ素化合物, 木質バイオマス, 東京都立大学, 研究, 触媒
東京都立大学は2023年2月21日、同大学大学院 都市環境科学研究科の研究チームが、C–O(炭素―酸素)結合をC–Si(炭素―ケイ素)結合に効率的に変換し、有機ケイ素化合物を効率よく合成できる触媒反応技術を開発したと発表した。
再生可能な炭素資源の木質バイオマスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステルなどには、多くのC–O結合が含まれる。
C–O結合を効率的に変換できる化学反応が重要となっているが、これまではC–H(炭素―水素)結合に変換して付加価値の低い炭化水素へと一旦ダウングレードする触媒系が多かった。
これらから有用な化成品を製造するにあたっては、多段階のプロセスを経て多くのエネルギーが必要とされる。このため、有用化成品へとより直接的に誘導できる新しい結合変換技術の開発が求められていた。
今回の研究では、まずセラミックスの一種である酸化ジルコニウムに、直径約3nmの金ナノ粒子を担持した触媒を調製した。
同触媒とケイ素源としてジシランを用いたところ、木質バイオマスなどから得られるエステルやエーテル中のC–O結合が効率的にC–Si結合へと変わり、有機ケイ素化合物を効率的に合成できることが判明した。
有機ケイ素化合物は、有機無機ハイブリッド材料や医薬品などの原料として用いられるもので、付加価値が高い化合物といえる。
同触媒は、さまざまなエステルやエーテル、ジシランの組み合わせの反応に有効で、多様な有機ケイ素化合物を合成できる。また、多くのC–O結合を有するプラスチックの一種、ポリエステルを原料に用いて有機ケイ素化合物を合成することも可能だ。
ポリエステルの分解には、一般的に多くの酸や塩基を用いるほか、排水処理など反応後の処理も煩雑となる点が課題となっていた。一方、今回開発した触媒による合成は中性条件下で実施できるため、プラスチック分解における環境負荷が少ない。
将来的には、今回の技術を応用することで、木材や廃棄プラスチックから有用化成品を直接製造するプロセスの実現が期待される。
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