米Google、Chromeの高速化を発表――3ヶ月間で10%のパフォーマンス向上

米Googleは2023年4月13日、ウェブブラウザの「Chrome」を技術的に改善し、さまざまなプラットフォームで新たなパフォーマンスの記録を達成したと発表した。評価にはブラウザベンチマークの「Speedometer」を用いた。

最新のChromeでは、キャッシュの改善からより良いメモリ管理まで、あらゆる側面からスピードと効率を高めたという。

HTML解析の改善では、使用頻度の高いJavaScriptの「Object.prototype.toString」と 「Array.prototype.join」関数についていくつかの最適化を行った。また、CSSのInterpolableColorも改善した。

JavaScriptでDOMを更新する際に非常によく使われる「innerHTML」では、解析のための特別な高速パスを追加。この作業の一部はWebKitにも役立つようで、WebKitのエンジンにも搭載される予定だという。

さらに、ポインタの圧縮と解凍の方法を最適化し、トラフィックの多いフィールドの圧縮を避けた。ポインタの圧縮は、JavaScriptエンジン「V8」とDOMオブジェクトのガベージコレクタ「Oilpan」の両方でメモリを節約するために使用されている。

また、JavaScriptの「undefined」のような頻繁にアクセスされるオブジェクトをメモリベースの先頭に移動し、より高速なマシンコードを用いてアクセスできるようにした。

以上により、Appleが開発している「Speedometer 2.1」ブラウザベンチマークにおいて、3ヶ月間で10%のパフォーマンス向上が見られたという。

Googleは現在、ハイエンドのAndroid端末では、バイナリサイズよりも速度を重視したコンパイラフラグを用いるバージョンのChromeを提供。こちらは通常版に比べ、Speedometer 2.1ベンチマークを30%速く実行できるとしている。

関連情報

Chromium Blog: More ways we’re making Chrome faster

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