極低損失マルチコア光ファイバの量産に成功――2本の純石英ガラスコアを内蔵　住友電工

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住友電気工業は2023年9月22日、極低損失のマルチコア光ファイバ「2C Z-PLUS Fiber ULL」の量産化に成功したと発表した。

5Gモバイル通信の普及などによって通信トラフィックが急増しており、光ファイバ通信システムの大容量化が求められている。通信容量の拡大を実現するため、1本の光ファイバの中に複数のコアを内蔵するマルチコアファイバ（MCF）の実用化が期待されている。

同社はこれまでのMCF研究開発の成果と、長年培ってきた光ファイバの低損失技術を生かし、極低損失MCF「2C Z-PLUS Fiber ULL」を開発。今回世界で初めて量産化に成功した。

同MCFは、従来と同サイズのファイバ内に2本の純石英ガラスコアを持つため、1本当たりの伝送容量を2倍に拡大できる。冒頭の写真は，2C Z-PLUS Fiber ULLの断面写真である。

伝送損失は0.158dB/km（波長1550nm、典型値）で、大洋横断海底光ケーブルへ適用可能な0.16dB/km以下の極低損失ファイバに分類される。また、コア間クロストーク特性も対向伝搬時に－43dB以下に抑制した。

コア間クロストークの模式図

海底光システムや大陸横断などの陸上幹線光ネットワーク、量子暗号通信の伝送路などへの適用を想定している。販売開始は2023年10月予定。

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世界初　極低損失マルチコア光ファイバの量産化に成功 | 住友電工