Amazon、従業員をアシストする新しいロボットシステムを発表――二足歩行ロボットのテストも開始予定

米Amazon.comは2023年10月18日、新しいロボットシステム「Sequoia」を稼働しはじめたことと、二足歩行ロボット「Digit」を業務で使用するためのテストを開始する予定であることを発表した。これらは職場の安全性をサポートし、より早く顧客に商品を配送できるよう支援するためのものだ。

Amazonでは、従業員の作業をより安全で、より簡単で、より繰り返しの少ないものにするためのテクノロジーを積極的に導入している。現在、「Sparrow」や「Cardinal」のような最新のロボットアームや、同社初の自律移動ロボット「Proteus」など、75万台以上のロボットが従業員と協働。人間の代わりに反復性の高い作業を担っている。

今回新たに加わったSequoiaは、テキサス州ヒューストンの発送センターの1つで稼働している。拠点内の在庫の保管・管理方法を再構築することで、より迅速かつ正確に配送予測をすることが可能だ。また、発送センターで受け取った在庫を現在よりも最大75％速く特定して保管できるようになる。さらに、注文処理にかかる時間を最大25%短縮できるため、発送の予測精度が向上し、当日または翌日発送で提供できる商品の数が増えるという。

Sequoiaは複数のロボット・システムを統合。移動ロボット、ガントリーシステム、ロボットアーム、人間工学に基づいた新しい従業員用ワークステーションを組み合わせて、在庫をコンテナに詰める。コンテナは従業員用ワークステーションに運ばれ、従業員はそこで作業をすることになる。この時、すべての作業は太ももの中ほどから胸の中ほどまでの高さで行える。これにより、ピッキングのために無理な姿勢を取ることもなく、怪我のリスクも軽減される。

同社によると、ロボットを活用した物流拠点のAmazon Roboticsでは、ロボットを導入していない拠点と比較して、2022年の記録可能な事故発生率が15%、休業時間を伴う事故発生率が18%低くなっているという。

Digitは、パートナーシップを結んでいる米Agility Roboticsの二足歩行ロボットだ。倉庫のスペースや隅にある商品を新しい方法で移動させ、掴み、取り扱うことができる。サイズも形状も、人間のために設計された建物に適しており、従業員と共同作業が可能だ。はじめのうちは、在庫が完全に取り出された空のコンテナを拾い上げて移動させるという従業員の作業を支援させる。

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