- 2023-12-5
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Cathy Bahm, Lockheed Martin, low boom flight demonstrator, NASA, Quesst（Quiet Supersonic Transport）, X-59, コンピューターモデリング, ソニックブルー, ソニックブーム, 商用超音速飛行, 安全マーキング, 実験機, 衝撃波, 静音性能
Lockheed Martin
アメリカ航空宇宙局（NASA）は、2023年11月15日、静音性能を備えた実験機「X-59」の開発状況として、塗装施設に入庫したと発表した。組立工程での緑色から、初飛行に向けて、NASA特有のカラーで塗装される。
超音速で飛行するジェット機は、衝撃波による轟音である「ソニックブーム」を発生させるため、飛行可能な空域が制限されている。今回の発表は、ソニックブームを軽減する技術を搭載したX-59が、飛行試験の直前の工程に進んだかたちとなる。
X-59は11月14日、製造元である米Lockheed Martinの施設に移動して、機体の塗装工程に入った。塗色は白が主体で、底面にはNASA特有の「ソニックブルー」と呼ばれる青色が、翼には赤色がアクセントとして加えられる。
この塗装は、航空機を湿気や腐食から保護する役割に加えて、地上や飛行中の機体の運用を支援する「安全マーキング」の役目もある。塗装の完了後は、機体の重量と形状について最終的な測定を実施し、コンピューターモデリングに使用するデータを最新化する予定だ。
本実験機は、「low boom flight demonstrator（低ブーム飛行デモンストレーター）」と呼ばれる。そのプロジェクトマネージャーを務めるCathy Bahm氏は、今後の1年はX-59にとって大きな変化の機会となり、今回の塗装によって機体の外観が壮大なミッションにふさわしいものになる、と期待を述べた。
NASAは、X-59の開発ミッション「Quesst（Quiet Supersonic Transport）」のなかで、人口居住地域の上空を飛行して、騒音に対する人々の感じ方をデータとして収集する。このデータは、商用超音速飛行の規制内容を見直すために使用される可能性がある。
関連情報
NASA’s X-59 Goes from Green to Red, White, and Blue
NASA、超音速実験機「X-59」の初飛行に向けて準備中
