- 2024-1-19
- 化学・素材系, 製品ニュース
- NEDO, PES, ガスバリア性, プラスチック, ポリエチレンサクシネート, ポリマー, 新規海洋生分解性プラスチック, 日本触媒, 海洋プラスチック, 海洋汚染, 海洋生分解性, 海洋生分解性エステルアミドポリマー, 海洋生分解性プラスチック, 海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業, 理化学研究所, 理研, 生分解性プラスチック, 長鎖ジカルボン酸ユニット
日本触媒は2024年1月18日、理化学研究所(理研)と共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」にて、「新規海洋生分解性プラスチック」を開発したと発表した。高いガスバリア性などポリエチレンサクシネート(PES)本来の特徴を有することに加え、ポリマー中に導入するユニットの組み合わせで幅広い機械特性を発現する。
軽量かつ丈夫で加工性に優れるプラスチックは、幅広く活用されているが、自然環境下では分解しにくく、海洋に流出したプラスチックによる海洋汚染が深刻化している。現在、生分解性プラスチックは一般的でないことに加え、海洋生分解性のあるプラスチックはごくわずかしかない。
高いガスバリア性を有するPESは、土壌や河川で生分解されるが、海洋で分解されにくいことが課題となっていた。そこで、PESの製造ノウハウを有する日本触媒は、海洋生分解性プラスチックに関する知見を持つ理研と連携し、PESの特徴を有する海洋生分解性プラスチックを開発した。
今回、PES骨格に長鎖ジカルボン酸ユニットを導入したポリマーが、海洋で容易に生分解されるセルロースと同等の海洋生分解性を発現することを見出した。このポリマーからなる新規海洋生分解性プラスチックは、包装材料や農業関連資材、土木建築資材などさまざまな用途展開が期待される。今後、量産体制の確立と用途開発を進めていく。
また、同事業内で開発した、PESを基本骨格とするポリマーに、天然アミノ酸ユニットを組み込んだ新規化学構造を有する海洋生分解性エステルアミドポリマーについても、高機能な海洋生分解性プラスチックとしての展開を検討していく。
関連情報
NEDO事業で新規海洋生分解性プラスチックを開発~包装・農業用途向け高ガスバリア性の海洋生分解性素材~ | ニュース | 日本触媒