米スタンフォード大学発のスタートアップ、エイターリンクとLIMNOは2024年2月16日、長距離ワイヤレス給電(AirPlug)技術を用いたビルマネジメント向け電力送信機の量産に成功し、初出荷したと発表した。
エイターリンクは、ビルなどの施設内でデジタルデバイスの完全ワイヤレス化を可能にする、長距離ワイヤレス給電技術を開発。これをLIMNOが、回路やソフトウェア、機構設計と基板の高密度実装から完成品の組み立てまでを一貫して担い、高い製品品質を確保しながら量産化を可能にした。LIMNOにはタブレット端末やIoT/LPWAモジュールなどで培った量産設計、無線開発技術があり、累計600万台を超える専用タブレットを出荷した製造実績もある。
この電力送信機をオフィスや施設に導入すれば、近くのセンサーなどをワイヤレスで駆動。センサーで得られた湿度や環境データ、人感データなどをもとに、照明や空調などをパーソナライズ制御できるようになり、コスト削減やCO2削減にも寄与する。
製造を開始した「AirPlug」にはシーリングタイプとダクトレールタイプの2種類があり、設置方法によって使い分けられる。
シーリングタイプは、システム天井や一般天井にスリッドをあけ、天井に埋め込んで設置する。最適な間隔で設置でき、高効率のワイヤレス給電空間を実現する。
一方のダクトレールタイプは照明用ダクトレールに設置でき、工事の必要がない。施設のリノベーションでの設置に向いており、試験導入にも適している。
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