米Rondo Energyの熱電池技術でウイスキー蒸留所等の脱炭素化を目指す

熱電池を開発している米Rondo Energyは2024年3月25日、アルコール飲料大手のDiageo North Americaが米国エネルギー省(DOE)の産業実証プログラム(IDP)に選ばれ、生産拠点の脱炭素化を進めるためにRondo Energyの熱電池技術を導入することになったと発表した。Diageo North Americaには最大7500万ドルの資金が提供される。

ジョニーウォーカーやギネスなどのブランドを持つDiageoは、このプロジェクトでケンタッキー州シェルビービルとイリノイ州プレーンフィールドにある生産拠点を電化し、それぞれ2026年と2028年までに両施設をカーボンニュートラルにすることを目指す。

それに伴い、DiageoはRondo Energyと提携し、再生可能エネルギーを回収/貯蔵する熱電池「Rondo Heat Battery」を生産拠点に設置する予定だ。Rondo Heat Batteryは低コストかつ炭素排出ゼロで熱と電力を供給するもので、加熱工程で使用するボイラー用の天然ガスへの依存をなくすことが可能となる。

飲料業界における蒸留、瓶詰め、洗浄、低温殺菌、HVAC(暖房・換気・空調)システムなどの従来の生産プロセスでは、操業に大きな熱負荷が必要で、通常は天然ガスに依存している。今回のプロジェクトでは、これらのプロセスに天然ガスではなく、Rondo Heat Batteryのような熱を利用した電力貯蔵(ETES)のシステムを利用。2つの施設全体で年間約1万7000トンの温室効果ガスの直接排出を削減する予定だ。これは4046台以上のガソリン車の1年分の排出量に相当する。

また、今回のプロジェクトでは、より広範な食品/飲料分野や、他の多くの分野でも再現できる産業用のモデルシステムを実証していく予定だという。

関連情報

Diageo North America selected by U.S. DOE to install innovative heat battery technology to decarbonize production operations in Illinois and Kentucky

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