技術を供与した二酸化炭素回収プラントが天然ガス供給設備で稼働開始 三菱重工業

三菱重工業は2024年9月18日、イタリアのラヴェンナ県カサルボルセッティの天然ガス供給設備にて、同社の二酸化炭素(CO2)回収技術「KM CDR Process」を供与したプラントが稼働を開始したと発表した。燃焼排ガスからのCO2回収においてフルスケールでのプラント稼働は欧州初となる。

総合エネルギー企業のEniがSnamと共同で立ち上げたイタリア初のCO2回収/貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクト「ラヴェンナCCS」の第一段階として、年間約2万5000トンのCO2排出量が削減されることが見込まれている。

三菱重工業は、MAIRE傘下のNEXTCHEMを通じ、CO2回収技術ライセンスの供与と基本設計パッケージを提供している。NEXTCHEMは、MAIRE傘下のKTと協業し、CO2回収プラントの設計/調達/建設の取りまとめを手掛けて納入したものとなる。

この回収技術は、ターボコンプレッサー駆動用天然ガスタービンの排ガス中に含まれるCO2を最大96%回収する。排ガス中のCO2濃度は3%未満で、低圧の排ガスとなっている。将来的には、CO2濃度が低い他の排ガス源から出されるCO2の回収にも、プロジェクトで得られた技術的知見の活用が期待される。

プラントで回収されたCO2は、パイプラインで輸送され、水深約3000m級の海底にあるEniのPorto Corsini Mare Ovest枯渇ガス田に圧入、貯留される。枯渇ガス田は今後、ラヴェンナCCSプロジェクトの第二段階として開発が進められ、2030年までに年間最大400万トンのCO2を貯留できるようになる予定だ。

関連情報

三菱重工 | 三菱重工の技術を用いた欧州初のCO2回収プラントが稼働開始 イタリアのCCSプロジェクト向け

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る