- 2024-12-4
- 化学・素材系, 技術ニュース, 機械系, 電気・電子系
- LFP系, NCM系, ブラックマス, リサイクル, リチウムイオンバッテリー(LIB), 中国海螺創業, 安徽海螺川崎節能設備製造, 川崎重工, 廃電池, 炭酸リチウム
川崎重工は2024年12月3日、中国海螺創業グループや両社の合弁会社である安徽海螺川崎節能設備製造と共同で、車載用廃リチウムイオンバッテリー(以下、LIB)のリサイクルシステムを開発したと発表した。
同システムは、NCM系(リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンを主成分とする正極材を用いたLIB)、LFP系(正極材にリン酸鉄リチウムを用いたLIB)の廃電池をともに処理できる。
環境への負荷を抑えるべく、硝酸や硫酸などの強酸、有機溶媒を用いない処理方法を採用した。電解液による発火も抑制している。
中国安徽省蕪湖市にて、商用規模の廃LIBリサイクル設備を稼働させた。同設備では、1日当たり最大20トンの廃電池が処理可能となっている。
4カ月間で1300トン以上の廃電池を処理し、ブラックマス(廃LIBを無害化処理後に破砕し、銅やアルミをそれぞれ1%以下まで除去した、正極および負極の材料の混合物)を回収した。
また、LFP系廃電池から純度99.5%以上の炭酸リチウムを継続して安定的に回収した。LFP系廃電池は熱的安定性が高く分解しづらいため、これまで回収が困難とされていたという。
LFP系電池は、中国において電気自動車向けに多く用いられており、2026年以後に廃棄量が急増する見込みだという。