エンジニア人材の確保に苦戦――需要が供給を大幅に上回る 米RS調査

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アメリカの流通企業大手RSは2024年10月29日、エンジニア人材の不足に関するレポートを発表した。エンジニア人材の需要は供給を大きく超えており、今やアメリカで募集されている求人の10件に1件はエンジニアで、給与は全職種平均と比較して72%高いとしている。

同調査によるとアメリカのエンジニアリング部門で働いている人口は538万人で、前年比で約3.5%増加した。しかし、労働力の増加にもかかわらず、2024年8月に出された求人広告は約100万件にのぼった。これは約770万件だった全職種の求人広告の約13%に相当し、エンジニアは最も需要の高い職業のトップ10に入る。

工学系の新卒が毎年およそ14万1000人で、求人の15%程度までは新卒採用で補える可能性があるものの、85%(82万5000人)の人材募集はオープンのままだ。しかもこれには退職による人員減は含まれていない。エンジニアの労働人口内訳は、ソフトウェア開発者が約9%と最も多く、次いで土木技術者の6%が続く。しかし、2024年に最も需要が高まるのは電気技術者だという。アメリカでは約16万1000人の電気技術者がいるが、未だ14万8000件の求人があり、エンジニアの求人全体の15%を占める。そのほか、機械エンジニアと製造エンジニアも需要が高く、それぞれエンジニア求人の8%と9%を占めた。

エンジニアの求人広告から見る平均賃金は年間約10万3000ドル(約1620万円)で、全職種平均の約6万ドル(約950万円)より約72%高く、エンジニアの賃金は昨年だけで約8%上昇した。ただ、これらの賃金上昇は、大きくは新規人材の獲得ではなく、むしろ既存の従業員の配置転換に繋がっていると見られる。

人材不足解消には女性の活躍も重要な課題となるが、アメリカのエンジニアのうち女性の割合は4分の1に留まっている。大学の専攻においても、工学部の女性学生の割合は低く、わずか0.3%だった1950年代以降着実に増加しているものの、その数は男性と比較すると依然として低いままだという。

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