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NASAの静音超音速研究機「X-59」、電磁干渉テストを完了――初飛行へ近づく大きな一歩

NASA/Carla Thomas

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2025年2月25日、静音超音速研究機「X-59」が電磁干渉テストをクリアしたと発表した。さまざまな場面を想定し、システムが干渉せず安全に協調して機能することが確認された。X-59の初飛行に近づく大きな一歩となったと言えるだろう。

超音速飛行をめぐっては、都市部上空でソニックブームによって大きな爆音が発生してしまうことが大きな課題となっている。X-59は超音速で飛行しても爆音を発生させず、より静かな衝撃音に抑えるように設計されている。NASAが進める「Quesst(Quiet supersonic technology)」ミッションの中心的な役割を担い、有益な情報を規制当局に提供することで商業用超音速飛行の規制緩和につなげたい考えだ。

地上で行われたテストでは、NASAのF-15D研究機の前面にX-59を配置し、最初は約14m、次に約152mの距離を置いた。F-15Dには特殊なプローブが搭載されており、X-59が生み出す衝撃波を測定することになる。その際の条件を地上で再現し、2機が近接した状態でも干渉し合わないことを確認する目的があったという。

電磁適合性(EMC)試験を実施し、X-59のエンジンを稼働させながら、F-15Dのレーダー、Cバンドレーダートランスポンダー、無線機を作動させた。X-59のデータを管制室のスタッフやエンジニアが監視し、異常がないことを確認できた。

NASAのX-59航空電子機器のリーダーであるYohan Lin氏は「この段階に到達したことで、航空機の統合が進んでいると示すことができた」と説明。EMC試験を完了したことでX-59は次に、地上で機体に通常状態と故障状態のデータを送って反応を測定する試験へ進む。その後、地上走行試験を経て、飛行試験へと進む計画だ。

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