精密部品や金型の小径穴あけ加工向け小径ソリッドドリルを開発――精度や寿命、加工安定性が向上 京セラ

京セラは2024年2月6日、精密部品や金型の小径穴あけ加工向け小径ソリッドドリル「KDA Mini」を開発したと発表した。同月7日より販売を開始する。

同製品は、直径1.0〜2.9mmの穴あけ加工用ドリルだ。同製品の「Type C」(クーラントホールあり)は、トリプル&ダブルマージン構造を採用しており、精度や加工の安定性が向上した(クーラントホールなしのType Nはダブルマージン構造)。

トリプル&ダブルマージン構造は、ドリル先端部には3組のマージンを、ドリル中間部には2組のマージンを設けたものだ。

穴あけ序盤は切削抵抗が大きく、工具の振れが発生しやすいため、先端部に3組のマージンを配置。一方、ドリル中間部は、直進安定性と切りくず排出性の両立が求められるため、2組のマージンと大きなチップポケットを設けて切りくずトラブルを抑えた。

また、ソリッドツール用に適正化した特殊ナノ積層コーティング「MEGACOAT NANO EX」 を採用。潤滑性や耐溶着性に優れるAlCrN(窒化アルミクロム)系層と、耐摩耗性に優れるTiAlN(窒化チタンアルミ)系層で構成している。

2種のコーティング層をそれぞれ特殊ナノ積層化し、さらに両層を交互に多層積層化することで耐摩耗性と耐溶着性、耐チッピング性が向上した。

これにより、長寿命加工が可能となっている。同社発表によると、他社製品と比較して2倍の工具寿命を有するという。

Type Cは8500円(加工深さ3D)、1万1900円(5D)、1万4300円(8D)の3種、Type Nは5300円(2D)、6250円(4D)の2種で提供する。推奨される被削材は鋼、ステンレス鋼、鋳鉄となっている。

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