水素燃料電池の部品バイポーラプレートの量産化とコスト低減へ前進

© Fraunhofer IWU

独フラウンホーファー研究機構は2024年4月2日、燃料電池の重要な部品であり、水素エネルギーシステムに必要なバイポーラプレート(双極板)の低コスト化と量産化に向けて大きく前進したと発表した。

バイポーラプレートは燃料電池内で水素と酸素の流路を構成するセパレーターの役割を果たすが、製造コストの高さが課題だった。

バイポーラプレートは2枚のステンレス鋼板で構成され、気体と放熱の流れを制御している。従来は、このステンレス鋼板の片側をそれぞれエンボス加工した後に2枚を接合する不連続な成形プロセスで製造していた。

同研究所はバイポーラプレートをロールエンボス加工する製造システム「BPPflexRoll」を独Profirollと共同で試作開発した。対となる2つのローラーを用いたエンボス加工によって連続的に製造できるようになったことで、毎分120枚のバイポーラプレートを製造できるようになった。このシステムによってバイポーラプレートの製造コストは半減すると研究者らは見込んでいる。

ロールエンボス加工の製造ラインは同研究所ですでに稼働しており、4.5m×3.3mのスペースがあれば設置できる。バイポーラプレートの形状に合わせてローラーの数を調整できる柔軟さも新システムの特長の1つだ。

関連情報

Roll embossing: New system revolutionizes production of bipolar plates

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