- 2024-6-21
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- 3Dプリント, Current Eye Research, イーストアングリア大学, 光学的透明度, 屈折矯正手術, 樹脂, 水晶体, 水晶体嚢, 白内障手術, 眼内レンズ, 眼球
イギリスのイーストアングリア大学の研究チームは、水晶体の代わりに眼球に埋め込む眼内レンズを3Dプリントできる新しい樹脂を導入することで、白内障手術や屈折矯正手術で広く使用されている眼内レンズの製造に、技術革新をもたらす可能性があると発表した。研究では、3Dプリントされたレンズは優れた光学的透明度をもち、折り畳んで水晶体嚢に埋め込めることがわかっている。同研究成果は2024年5月19日、『Current Eye Research』誌に掲載された。
3Dプリント技術を使うことで、患者の目の形状と視力のニーズに合わせたオーダーメイドの眼内レンズを、迅速かつ低コストで作製できる。これにより診断から手術までの時間が短縮され、価格も手頃になる可能性がある。これまで製造が困難であった複雑なレンズ形状も作製可能なため、より幅広い視覚の問題に対応できるようになる。
研究チームは、高度なイメージング技術を組み合わせて、形や大きさの合うレンズを製造し、手術後の調整や合併症を軽減することを見込んでいる。さらに開発が進めば、とくに遠隔地や経済的に恵まれない地域に有益となる、ポータブルな製造ソリューションも提供できるようになり、業界を変革する可能性があるとしている。今後数年以内の臨床試験の開始が期待されている。
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