全固体リチウムイオン電池充放電時のLiイオンの動きの可視化に成功 パナソニックなど

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固体電解質/LiCoO2正極/Au集電体近傍の断面STEM像。それぞれ、0%充電(充電前)、50%充電、100%充電、33%放電時のSTEM像を示す。

パナソニックは2018年9月3日、ファインセラミックスセンターおよび名古屋大学と共同で、全固体リチウムイオン電池の充放電時におけるLiCoO2正極内のLiイオンの2次元分布とその変化を可視化することに、世界で初めて成功したと発表した。

全固体リチウムイオン電池は、液体電解質を用いた従来型電池の問題点を克服できる次世代電池の1つとして、各所で研究開発が進められている。しかし、電極/固体電解質界面におけるLiイオンの移動抵抗が非常に高いことが実用化の妨げとなっていた。

今回の研究では、パナソニックが有する電池技術と、ファインセラミックスセンターが持つ電池を充放電させながらその場で電子顕微鏡観察するオペランド観察技術を応用。電池を充放電させながら、電子エネルギー損失分光法(EELS)で2次元上でのエネルギー損失スペクトルの測定を可能にした。EELSは、電子が試料内部を透過する際に失ったエネルギーを計測して、材料中の元素や電子状態を分析する手法だ。スペクトルに含まれる微弱なLiの信号を、名古屋大学の高度画像解析技術(多変量解析技術)によってナノメートルスケールで明瞭に捉えることができた。

今回開発した技術によって、LiCoO2正極/LASGTP固体電解質/その場形成負極からなる全固体リチウムイオン電池の充放電中におけるLiCoO2正極内部のLi分布および遷移元素であるCoの価数分布を2次元で観察。LiCoO2正極/LASGTP固体電解質界面近くにCo3O4が多数混在していることが、Liイオンの移動抵抗上昇の原因であることを解明した。

今回の観察結果を全固体電池の設計プロセスに反映させることで、Liイオンの界面抵抗を抑制した電池設計が可能になり、高性能の全固体電池が実現できるという。また、この技術を他のタイプの蓄電池に応用することで、さまざまな種類の全固体電池の実用化に貢献できるという。

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