エンジニアの年収相場とは?職種や業種、年齢別に比較

技術革新が加速度的に進み、様々な分野でエンジニアが活躍するようになりました。昨今は少子高齢化による人手不足により、理系や技術系の学校を卒業した方はもちろん、文系出身の方にもエンジニアとして活躍する道が開けています。しかし、実際にどのようなエンジニアがいて、どのくらいの年収をもらえるのかを知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、エンジニアの年収相場を職種や業種、年齢別に比較して解説します。どうぞご覧ください。

【目次】

エンジニアといっても、様々な職種が存在する

近年は、エンジニアというとITエンジニアを指すことが増えました。しかし、エンジニアは工学(エンジニアリング)の専門知識とスキルを持つ技術者のことなので、実に様々な職種が存在します。

厚生労働省の職種区分(「賃金構造基本統計調査の対象事業所に選ばれた事業主の方へ」役職・職種一覧表を参照))によると、エンジニアの職種は以下のように分類できます。

• 電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)
• 機械技術者
• 輸送用機器技術者
• 金属技術者
• 化学技術者
• システムコンサルタント・設計者
• ソフトウェア作成者
• その他の情報処理・通信技術者
• 他に分類されない技術者
※編集部でエンジニアに該当する職種を抜粋。

ITエンジニアは「システムコンサルタント・設計者」「ソフトウェア作成者」「その他の情報処理・通信技術者」に分類されます。他にも電気や機械、金属、化学など、様々な分野でエンジニアが活躍しています。

職種別の年収・残業相場

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」をもとに、2023年におけるエンジニアの職種別平均年収データをまとめました。

※平均年収の算出方法:「所定内給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」の金額を千の位で四捨五入。

職種 平均年収
エンジニア全体 570万円
システムコンサルタント・設計者 647万円
輸送用機器技術者 645万円
電気・電子・電気通信技術者
(通信ネットワーク
技術者を除く)
637万円
機械技術者 561万円
化学技術者 551万円
金属技術者 531万円
その他の情報処理・通信技術者 525万円
ソフトウェア作成者 520万円
他に分類されない技術者 517万円

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「システムコンサルタント・設計者」「輸送用機器技術者」「電気・電子・電気通信技術者」が600万円以上で、他のエンジニアを引き離しています。エンジニア全体の平均年収は570万円でした。

また、dodaの「残業が少ない仕事・多い仕事は?平均残業時間ランキング【91職種別】」によると、職種別の1カ月当たりの平均残業時間は以下の通りです。

(単位:時間)
職種 全体 20代 30代 40代 50代
IT/通信系エンジニア 21.2 15.9 22.1 23.6 23.2
ものづくり系エンジニア 24.1 21.4 25.1 24.0 25.9
素材/化学/食品系エンジニア 19.0 18.9 17.1 20.5 19.4

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※「職種分類別」の表を参照し、編集部が作成。

最も残業時間が多いのは、「50代」の「ものづくり系エンジニア」で25.9時間です。逆に最も少ないのは「20代」の「IT/通信系エンジニア」で15.9時間です。全体では最も多いのが「ものづくり系エンジニア」の24.1時間で、最も少ないのは「素材/化学/食品系エンジニア」の19.0時間でした。

一般的な年収相場

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は458万円でした。エンジニア全体の平均年収は570万円(令和5年・2023年)でしたので、エンジニアの年収は給与所得者全体の年収相場より、約110万円上回っています。

エンジニア以外の年収相場も見てみましょう。上述の厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」をもとに、理系や技術系で平均年収の高い職種をまとめました。2023年のデータです。
※平均年収の算出方法:「所定内給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」の金額を千の位で四捨五入。

職種 平均年収
研究者 708万円
その他の機械整備・修理従事者 565万円
発電員・変電員 523万円
電気工事従事者 494万円
製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者 478万円
配管従事者 475万円
自動車組立従事者 463万円
化学製品製造従事者 461万円
機械検査従事者 457万円
はん用・生産用・業務用機械器具・電気機械器具整備・修理従事者 453万円

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「研究者」の平均年収は708万円で、エンジニア全体の561万円より約150万円高く、エンジニアの中で最も高い「システムコンサルタント・設計者」の647万円を約60万円上回ります。「研究者」以外の職種の平均年収は、エンジニアと同等か下回る結果となりました。

年齢別に見るエンジニアの年収相場

ここでは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」をもとに、2023年におけるエンジニアの年齢別平均年収データをまとめました。

(単位:万円)
職種 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳
全体 323 421 505 586 632 674 703 741
システムコンサルタント・設計者 335 451 598 690 667 747 774 814
電気・電子・電気通信技術者
(通信ネットワーク
技術者を除く)
328 442 549 610 704 741 796 796
化学技術者 333 429 489 557 618 620 652 783
機械技術者 319 410 492 583 618 677 700 730
輸送用機器技術者 325 435 529 650 698 782 854 875
他に分類されない技術者 313 378 450 532 560 623 648 650
ソフトウェア作成者 321 416 471 554 597 630 647 697
その他の情報処理・通信技術者 315 395 460 521 602 651 660 692
金属技術者 319 432 509 576 624 597 593 629

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全体的な傾向として、多くのエンジニアは「55~59歳」まで年収を伸ばせます。最も平均年収が高いのは「55~59歳」の「輸送用機器技術者」で875万円でした。

また、職種によって年収の伸びる時期が異なります。「35~39歳」までは「システムコンサルタント・設計者」の伸び率が頭一つ抜けています。「化学技術者」は「50~54歳」から「55~59歳」にかけて大きく伸びます。「20~24歳」から「55~59歳」まで、ずっと高い伸び率をキープしているのは「輸送用機器技術者」です。

業種別に見るエンジニアの年収相場

dodaの「ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説」によると、ITエンジニアの業種別平均年収は以下の通りです。

業種 平均年収
ITコンサルティング 475万円
ハードウェア/ソフトウェア/パッケージベンダ 471万円
システムインテグレータ 465万円
ネット広告/Webマーケティング 432万円
通信/ISP/データセンター 413万円
ゲーム(オンライン/ソーシャル) 411万円

※「ITエンジニアの業種別の平均年収」の表を参照して作成

厚生労働省の職種区分による「システムコンサルタント・設計者」が活躍する「ITコンサルティング」「ハードウェア/ソフトウェア/パッケージベンダ」「システムインテグレータ」は、比較的平均年収が高いです。「その他の情報処理・通信技術者」が勤める「通信/ISP/データセンター」や、「ソフトウェア作成者」が就業する「ゲーム(オンライン/ソーシャル)」業種は平均年収が低くなる傾向があります。

また、同じ業種でも職種によって年収に差が出ます。例えば、同じ「ハードウェア/ソフトウェア/パッケージベンダ」や「システムインテグレータ」業種では、「ソフトウェア作成者」より「システムコンサルタント・設計者」の方が年収は上がることが多いです。

今後の将来性に関して

エンジニアの今後の将来性に関して、以下の2点を解説します。

• 今までの平均年収の推移
• 今後の給与事情

それぞれ見ていきましょう。

今までの平均年収の推移

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとに、エンジニアの2020年から2023年における平均年収データをまとめました。

(単位:万円)
職種 2020年 2021年 2022年 2023年
全体 543 539 545 570
システムコンサルタント・設計者 647 679 621 647
輸送用機器技術者 619 584 548 645
電気・電子・電気通信技術者
(通信ネットワーク
技術者を除く)
562 553 594 637
機械技術者 542 532 549 561
化学技術者 550 560 572 551
金属技術者 487 445 490 531
その他の情報処理・通信技術者 527 520 495 525
ソフトウェア作成者 481 486 516 520
他に分類されない技術者 474 494 517 517

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2021年の平均年収が落ち込んでいる職種がありますが、これは2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の影響によるものと考えられます。その後は2022年、2023年と上向きに推移しています。2023年の平均年収は、多くのエンジニア職種が2020年と同等か上回る結果になりました。

今後の給与事情

コロナ禍の収束により経済活動が活発化し、政府も賃上げに向けた取り組みを加速していることから、全体的に今後の給与は上向くことが期待されます。DX(デジタルトランスフォーメーション)やIoT(モノのインターネット)などの発展で、エンジニアの転職市場はますます売り手市場になり、さらに給与を伸ばしやすくなるでしょう。

また、経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果(2017年8月)」によると、多くの企業が個人の「スキルレベル」や「仕事の成果」を重視して給与を決定するべきだと考えています。これからの給与制度は、在籍期間に基づく「年功序列型」ではなく、個人の生産性を評価する「成果主義型」へ移行していくことも予想されます。

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まとめ

エンジニアの年収相場を職種や業種、年齢別に比較して解説しました。

同じエンジニアでも様々な職種が存在し、業種や年齢によって年収に幅があります。しかし、エンジニアは専門知識やスキルを持っているため、総じて他の職業と比較しても年収は高い傾向にあります。エンジニアは売り手市場のため、スキルの高い人は転職することによっても年収を上げていけます。

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fabcross for エンジニア 編集部

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