三菱電機は、パワー半導体の新製品として、SiC(炭化ケイ素)を用いた「SiC-SBD」を3月1日から順次発売すると発表した。エアコンや太陽光発電などの電源システムの低消費電力化・小型化に貢献する。
同社では、省エネや環境保護に対応して、SiCパワー半導体モジュールを2010年から順次製品化し、エアコンや産業用機器・鉄道車両のインバーターシステムに採用されている。しかし、エアコンや太陽光発電などの電源システムではディスクリート品の需要があったため、今回の製品発売となったものだ。
SiC-SBDは、電力損失の低減や高速スイッチングが可能なSiCの採用により、スイッチング損失を大幅に削減し、電力損失を約21%低減(同社のシリコンダイオード比)。また高速スイッチングにより、リアクトルなど周辺部品の小型化を可能にしている。
さらに、pn接合とショットキー接合を組み合わせたJBS(Junction Barrier Schottky)構造を採用して、高いサージ耐量を実現。信頼性が向上した。
定格は20A/600V、サージ電流耐量(絶対最大定格)155A、順電圧(標準)は1.35V(Tj=25°C)。パッケージタイプがTO-220で外形サイズが10.1×29.0×4.7mmの「BD20060T」と、同じくTO-247で15.9×41.0×5.0mmの「BD20060S」の2タイプが用意されている。サンプル価格はいずれも1000円(税別)。
BD20060Tは2017年3月1日に発売され、BD20060Sはサンプル提供を3月1日に開始、9月1日に発売の予定だ。