- 2017-4-3
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- スイス連邦工科大学ローザンヌ校, ローザンヌ大学, 三脚歩行, 昆虫型ロボット
スイス連邦工科大学ローザンヌ校とローザンヌ大学は、昆虫が自然界で進化して獲得した三脚歩行より、“二脚”歩行の方が速く歩けることを明らかにした。
昆虫は歩行する際、6本の脚のうち片側は2本、逆側は1本、合わせて3本の脚を接地させて歩く。これを「三脚歩行」と言い、昆虫型の6本脚ロボットを開発するときには、三脚歩行を前提として設計するエンジニアが多かった。
しかし両大学の研究グループは、昆虫の三脚歩行が、壁や天井を登らない限りは最適な歩行方法ではないことを突き止めた。
シミュレーションの結果、6本脚でも平地であれば“二脚”歩行の方が速かったのだ。一方、脚先に粘着性を持たせたモデルで垂直面の歩行を最適化すると、自然界の昆虫同様に三脚歩行の方が優れていた。
実際に、次の動画の1分3秒付近から紹介されている昆虫型ロボットを使った比較を見ると、“二脚”歩行ロボットの方が速いことが分かる。
この研究結果によって、ロボット研究者にはこれまでにないアプローチの可能性を示し、生物学者には新たな知見を提供することになるのではないか、と両大学は期待している。