二酸化炭素から直接「液化石油ガス」を合成――2025年春より年産3〜4トン規模の実証実験を開始へカナデビアら

二酸化炭素から直接「液化石油ガス」を合成――2025年春より年産3〜4トン規模の実証実験を開始へ　カナデビアら

カナデビア（旧日立造船）、産業技術総合研究所およびAIST Solutionsは2025年1月14日、二酸化炭素（CO₂）から直接液化石油ガス（LPG）を1MPa以下の低圧条件で合成したと発表した。

今回開発した技術は、工場などが排出するCO₂を、太陽光や風力発電といった再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」とともに新たに開発した触媒に通すことで、グリーンLPGを合成するものとなっている。

カナデビアは、以前よりCO₂を用いた合成メタン（e-メタン）事業を展開している。同事業で培った技術をベースとして、都市ガス成分と同レベルの高カロリーガスや、LPG成分を含む合成物をCO₂から直接製造する研究開発を進めていた。

今回の発表によると、CO₂から直接LPGを選択的に合成するのは技術的難度が高く、目的とするLPG成分を効率的に合成できるプロセスや触媒はこれまで商業化されていないという。

今後はスケールアップに向けた検討を進める。2026年春から1年間かけて、年産3〜4トン規模の実証実験を実施する計画だ。

実証実験用装置

二酸化炭素から直接「液化石油ガス」を合成――2025年春より年産3〜4トン規模の実証実験を開始へ　カナデビアら