東京農工大と近大、有害な鉛と反応しないペロブスカイト太陽電池代替材料を発見

共蒸発分子誘起結晶化法で結晶粒子の大きさを変化させたヨウ化鉛の薄膜表面の原子間力顕微鏡像

東京農工大学と近畿大学は2017年7月10日、次世代太陽電池として注目されているペロブスカイト太陽電池の分野において、グアニジンヨウ化水素酸塩が、同電池の主材料ヨウ化鉛とは反応せず、代替材料のヨウ化スズと反応し、太陽電池として動作することを発見したと発表した。

ペロブスカイト太陽電池は、現在主流のシリコン太陽電池に近い高い太陽光エネルギー変換効率を持ち、しかも安価という長所がある。一方、人体に有害な鉛や、熱分解しやすい有機体であるメチルアミンヨウ化水素酸塩などを用いているため、実用化には課題がある。

今回のヨウ化鉛とは反応しないグアニジンヨウ化水素酸塩の発見は、将来的に人体に有害な鉛を用いない安全なペロブスカイト太陽電池への応用が期待される。また、グアニジンヨウ化水素酸塩は熱的に安定しているために、熱分解の問題が発生せず真空蒸着することができた。

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