中国科学院、ハイドロキシアパタイトと酸化グラフェンを使い火災報知機能をもつ耐火性壁紙を開発

中国科学院上海セラミックス研究所は、ハイドロキシアパタイトと酸化グラフェンを使い、耐熱耐火性と火災検知機能を兼ね備えた壁紙を製作した。

歯や骨の主成分であるハイドロキシアパタイトは、通常は脆く柔軟性に欠ける。上海セラミックス研究所は、これをアスペクト比の高い超長ナノワイヤー形状とすることで可とう性が高くなることを発見した。このハイドロキシアパタイトの超長ナノワイヤーは、高い生体適合性、柔軟性、熱安定性、耐火性など多くの利点を有する有望な生体材料であると同時に、耐火性に優れた建材となり得るという。

さらに、このハイドロキシアパタイトとグラスファイバーを素材とした壁紙を、酸化グラフェンのインクで着色することで火災の検知が可能になる。この酸化グラフェンインクは、室温では絶縁体であるが、高温になると導電性を示すという。このようにして作られたハイドロキシアパタイトナノワイヤーの壁紙は、実験では126.9℃の熱を2秒で検出することができ、火炎に5分以上耐えたという。

この壁紙は、火災の発生を通報すると同時に延焼を防げるばかりでなく、商用プリンターで色やデザインを変えられるため、安全性の高い住宅の内装などの用途に有望なものと研究グループは考えている。

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Fire Alarm Wallpaper Based on Fire-Resistant Hydroxyapatite Nanowire Inorganic Paper and Graphene Oxide Thermosensitive Sensor

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