- 2018-9-27
- 技術ニュース, 電気・電子系
- OIST, 沖縄科学技術大学院大学
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は2018年9月26日、光を用いてナノメートル(nm)の空間規模とフェムト秒の時間間隔で電子を制御できる可能性がある新たなメカニズムを実証したと発表した。
研究チームは、光の強さを変化させることで物質の表面電位を変化させる表面光起電力効果を利用。レーザー光線の強度の不均一さを利用して局所表面電位を操作し、空間的に変化する電界を光励起スポット内で生成させた。
まずは超高速レーザーを使用して、電子のサンプルを励起させた。続いて、励起した電子の状態を追跡しようと、別の超高速レーザーを照射。こうすることで、逆の2方向に導かれる電子の流れをフェムト秒の時間間隔で動画に記録することが可能になった。
今回の研究成果から、焦点内のレーザー光線の空間強度の変化を利用して、電子運動を光の解像限界を超えて制御できる可能性が示されたとしている。このメカニズムをナノスケールの電子回路の操作に利用できる可能性があるという。
OISTの研究チームは現在、このメカニズムを利用して、機能的なナノスケールの超高速デバイスの実現に向けて研究を進めている。