帝国データバンクは2019年3月8日、「業界天気図」動向調査2018~19年度見通しを発表した。
同調査は、100業界198分野を対象に、企業業績や統計データ、業界ニュースなどを元にして、今後の展望を総合的に判断。天気図として「快晴」から「雷雨」までの7段階に分類して表すものだ。
それによると2019年度の業況は、3年ぶりに「悪化」の見通しとなる。また、「改善」を見込むのは8分野のみで、1999年度以降で最少となる。
2018年度の実績では、前年と比較して天気が改善したのが25分野、逆に悪化したのが15分野で、TDB業況指数が52.5となり改善ペースが鈍化した。
人出不足を背景にして「工作機械」などが「晴天」となっている一方、米中貿易摩擦の影響や、EVやコネックティッドカーなどの次世代自動車を巡る競争激化などの影響で、「自動車製造」が「薄日」から「曇り」へと悪化した。
その他、自動車部品や航空機などの産業向け用途が好調な「繊維製造・紡績」が「曇り」から「薄日」に改善、新設住宅着工戸数減少などの影響を受け「住宅設備、機器製造」が「薄日」から「曇り」へ悪化した。
2019年度の見通しは、2018年度から「改善」が8分野、「悪化」が12分野となり、3年ぶりに悪化が改善を上回る。消費税増税後の反動減が懸念される「家電」が「薄日」から「曇り」へ、米中貿易摩擦の影響により「工作機械」が「晴れ」から「薄日」へ、それぞれ悪化する見通しだ。一方、ソフトウェア開発は、消費税率引き上げの特需や、AI、ビッグデータ活用、フィンテックなどの影響で、「薄日」から「晴れ」に改善される見通しだ。
2019年度のTDB業況指数は、3年ぶりに基準となる50.0を下回り、49.0となる見通しだ。