フリーボンド磁石採用モーターを共同開発――産業用ドローンの重量3.3kg減、飛行時間延長へ寄与

愛知製鋼と澤藤電機は2019年5月29日、愛知製鋼のDy(ジスプロシウム)フリーボンド磁石「マグファイン」と澤藤電機の巻線技術を融合し、従来比3割の軽量化を実現したモーターを産業用ドローン向けとして開発したと発表した。機体重量3.3kgの減少により、積載量アップや飛行時間の長時間化などを実現する。

愛知製鋼は今回、新開発の磁石アッセンブリー技術を用い、大口径で多極のマグファインを、それを覆うマグネシウム製ハウジングへ一体射出成形。マグファインの利点である高磁力、自由配置、高い寸法精度の確保などを組み合わせることで、従来比3割の軽量化に成功した。

また、磁石成形時の磁場の向きを最適化することで、振動の原因となる回転時トルクの脈動を約2割低減。こうすることで、ドローン自身による安定した姿勢制御を可能にした。

通常は銅線によるコイル巻線が一般的だが、今回のモーターにおいては澤藤電機の巻線技術によってアルミニウム電線のコイル巻線を実現。これにより、安定した絶縁性能で長寿命な軽量モーターを生み出した。

同モーターを採用すれば、他社製モーターを採用した場合に比べ、ドローン1機当たりの体積を295cm3減らし、重量を3.3kg軽量化できるという。一方で、出力性能を1.2kW上昇でき、出力密度を1.5kW/kg向上できるとしている。

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