- 2019-12-26
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矢野経済研究所は2019年12月25日、次世代電池世界市場を調査し、2018年から2030年にかけての市場規模予測を発表した。
今回の調査では、現世代の電池をリチウムイオン電池(LiB)として、次世代電池を小型全固体LiB/薄形電池、高容量全固体LiB、ナトリウム二次電池、レドックスフロー電池、金属空気電池、有機二次電池、多価イオン電池、Li-S電池、新原理/新型電池の9種類の電池とした。
次世代電池世界市場規模は、2018年が636億円であったのに対し、2022年は1446億円、2030年は2018年比で20倍以上の1兆4940億円に至ると予測した。
2018年でも既に市場導入が進む次世代電池があり、可燃性の電解液を使わない高容量全固体LiBは、フランスで次世代電動車の駆動用電源として実用化が先行。このほか、金属空気電池やレドックスフロー電池、小型全固体LiB/薄形電池、ナトリウム二次電池でも市場形成が始まっている。ただし、LiBの後継と言えるのは、2020年以降になるとみている。
2030年における、種類別の次世代電池世界市場規模は、シェアの大きい方から、高容量全固体LiBが5687億円、有機二次電池が3628億円、レドックスフロー電池が3253億円になると予測。高容量全固体LiBは、硫化物系とSPE系が牽引し、2020年代後半から急成長すると想定した。続く有機二次電池は開発型ベンチャー企業により、レドックスフロー電池は再生可能エネルギー発電との系統連系に適すことから、実用化が進むと予測した。
また、国内においては、LIBとは蓄電原理が異なる新原理電池、LIBに改良を加えた高機能LiBや新構造LiBの製品化が進行し始めている。新原理電池では、超高エネルギー密度/超大容量型の電池が2020年代前半に製品化される見通し。また、2021~2022年頃から、急速充放電が可能で、高耐久性を持つ2次電池材料も商用化される可能性があるとみている。さらに、高性能水系飽和電解液キャパシタのエネルギー回生用途への展開や、グラフェン/スーパーキャパシタの製品化なども見込んでいる。そのため、2030年には、新原理電池が一定規模に拡大するものと予想している。