GSアライアンスは2020年6月23日、あらゆる形状や発光色に変化させることができる量子ドットと紫外線硬化型樹脂との複合材料を開発したと発表した。
量子ドットは、粒子サイズによってバンドギャップを調節することが可能で、粒径に依存する発光特性を有するため、サイズを変えることで発光波長を調整できる点が特長となっている。一方で、量子ドットを液体中に分散した状態で供給される形態が多く、取扱いや耐光性、耐熱性などが課題となっていた。
同社は、従来の量子ドット合成技術も含めて検討を進め、今回の量子ドットと紫外線硬化型樹脂との複合体の作製に至った。なお、同社は以前にも量子ドットと樹脂複合体やシリカ系無機材料複合体を開発していたが、熱可塑性樹脂との複合体であったため形状を制御することが困難であった。
今回は紫外線硬化型樹脂を用いたため、あらゆる形状に変化させることが可能となっており、コーティング材料としても使用できる。また、耐水性、耐候性、耐熱性なども改良していく予定である。ディスプレイや太陽電池、LED、レーザー、生体イメージング、セキュリティタグといった分野での活用が期待される。