黒煙を見えないレベルまで低減した電子制御ディーゼルエンジンを開発――世界各地の最新排ガス規制に適合 クボタ

クボタは2021年3月24日、出力19kW未満のクラスでは同社初となる電子制御ディーゼルエンジン「D902電子制御エンジン(排気量0.898L)」を開発したと発表した。新燃焼方式TVCRを採用し、黒煙を見えないレベルまで低減している。

D902電子制御エンジンは、エンジン寸法や構造の変更による従来製品のユーザーの開発負担を増やさずに、世界各地の最新の排ガス規制(出力19kW未満)に適合するよう開発。小型エンジン専用に開発された独自のコモンレールシステムを搭載し、新燃焼方式TVCRを採用している。

コンパクトなサイズと搭載のし易さを維持しつつ、黒煙を視認できないレベルまで低減。クリーンな排出ガスと低燃費を両立している。北米EPA Tier4、欧州 Stage V、中国4次規制(2022年12月施行予定)などの規制に対応する排ガス性能を有する。始動、加速、急負荷時の黒煙排出も視認できないレベルまで抑制しているため、中国の国家スモーク規制の中で最も厳しいIII類にも対応するという。

燃費は、従来機と比較して約5%改善。電子制御化によりCAN(Controller Area Network)通信ができ、エンジンの回転、トルクを車両からの信号で制御できる。また、テレマティクス技術に必要なエンジン運転データについて、CANを経由して取得できる。

機械式制御では実現できなかったトルク特性を有し、急負荷時の回転低下を抑制。ドライバビリティ、作業効率を向上させる。外観寸法、吸排気位置、エンジンマウント取り付け位置、PTO(Power Take Off)は、従来機のままで、容易に載せ替えができる。なお、量産開始時期は2022年からとなる。

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