大和ハウス工業は2021年5月21日、子会社のフジタや十一屋工業と共同で、建設現場で角形鋼管柱を溶接するロボットシステム「SWAN(スワン)」を開発したと発表した。2人の作業員で4台のロボットを運用し、1日最大約160mの溶接が可能になる。
溶接ロボットにはダイヘン製の軽量小型6軸多関節型ロボットアームが使われている。十一屋工業は建設現場での溶接実績が豊富で、同社の技術やノウハウを、大和ハウス工業とフジタのロボット化/自動化技術に生かしてシステム開発を行ってきた。
SWANは2台のロボットが1セットとなり、外径550~900mm、板厚22~40mmの角形鋼管柱を溶接。1セットのロボットで1日約80mの長さまで溶接できる。実際の作業では、溶接技能者1人と補助員1人の2人で2セット4台のロボットを運用し、最大で溶接技能者2人分の作業を行う。
これまで3件の工事現場でSWANを運用し、溶接の品質にも問題はなかった。今後、建設現場での本格的な実用化に向け、大和ハウス工業とフジタが手がける商業施設や物流施設、ホテルなど大型施設の建設現場に導入していく。
建設現場での柱の溶接作業は、高温での長時間作業となるため重労働で、夏場には熱中症になるリスクも高い。大和ハウス工業は「SWANの導入で、溶接技能者は品質の確認やロボットシステムの管理に集中でき、作業の負担を減らすとともに熱中症のリスクも抑えられる」としている。