センサ開発エンジニアに必要なのはセンス――1人の力で社会に大きな衝撃を与える可能性も


本コラムは、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント・河辺真典氏からの寄稿です。旬のキーワードを取り上げ、エンジニアのキャリア形成に役立つ情報を発信していきます。


Industry4.0にまつわるエンジニアニーズについて取り上げる本連載、1回目の記事では、Industry4.0 や工場の完全自動化といった取り組みが日本でも動き出していること、2回目の記事では、Industry4.0や工場の完全自動化に欠かせない技術のひとつであるセンサの分野でエンジニアのニーズが高まっていることを説明しました。

今回は、センサ関連のエンジニアにはどういった人材が求められているか、センサ開発に携わることの魅力とは何か、といったことについて考えてみたいと思います。

センサエンジニアに最も求められる資質は“センス”

前回の記事で、センサの開発に携わるエンジニアの中でも、材料の開発に取り組むエンジニアのニーズが特に高くなっていると紹介しました。

センサとは、温度や圧力、音、動きなどの環境の変化を電気信号に変えるものです。何らかの変化に反応する材料を使い、材料が反応したことを検知する仕組みですから、使用目的に合わせてセンサに使う材料を選んでいくことになります。

言い換えれば、材料の選び方や組み合わせ方によって、測定できる対象や測定時の精度などが変わってくるわけです。

ですので、材料系エンジニアは否応なくセンサ開発の中核を担います。これまで測定不可能だった対象を測定可能なセンサを作るのも、従来よりも高い精度で測定可能なセンサを作るのも、全てが材料系エンジニアの肩にかかっているといっても過言ではないでしょう。

材料系エンジニアには、材料の選び方や組み合わせ方を考えるときに、発想力やセンスが求められます。

もちろん、発想力やセンスだけでなく、論理的思考力や計画力も必要です。なお、センサの開発は大人数で分業してやるものではありませんので、これまでに自己完結型の業務を多くこなし、論理立てて実験を計画してきたエンジニアは、高く評価されることになるでしょう。

センサ開発エンジニアなら、社会に衝撃を与える仕事ができる

アイデア次第で可能性が無限に広がるのがセンサ開発の魅力です。匂いを捉えられるセンサをアロマビットが作ったように、これまで人間しか捉えられなかった対象を測定可能なセンサを生み出す余地はまだまだあります。

1回目の記事で触れましたが、人間の五感に頼った判断を不要にするレベルのセンサが実用化されれば、工場の完全自動化も夢物語ではなくなります。

新しいセンサを開発することで、Industry4.0を大きく前進させたエンジニアとして名を残せるようになるかもしれません。社会に大きなインパクトを与えることにやりがいを感じる人は、センサ開発エンジニアに向いていると思います。

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河辺 真典(メイテックネクスト 執行役員)

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