日本精工は2021年9月28日、転がり軸受用のバイオマスプラスチック保持器を開発したと発表した。
同製品は、バイオマスプラスチックに100%由来した耐熱樹脂保持器で、DSM社のトウゴマを用いたバイオプラスチック「EcoPaXX(エコパックス)」を採用した。従来の100%バイオプラスチックでは耐熱性が課題となっていたが、同製品は120℃レベルの高温環境下でも使用できる。
同社の解析技術を用いて、最適な射出成形条件や軸受回転時の負荷を予測したほか、解析結果をベースに樹脂保持器を試作し、軸受回転時の挙動を可視化する「リアルデジタルツイン」(冒頭の画像)により保持器としての性能を評価した。これらにより、従来の約3分の1の開発期間で開発を完了している。
同製品を用いることで、ライフサイクル全体でのCO2排出量を、ポリアミド66を用いた従来品と比較して91%削減できるという。
同社は、自動車や家電分野において2022年に同製品を適用し、その後もさらに用途を拡大する計画を明らかにしている。