- 2023-4-19
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- 3Dプリンタ, あいち産業科学技術総合センター, アルミニウム, アルミニウム合金, レーザ粉末床溶融結合法, 名古屋大学, 研究, 耐熱部材, 金属3Dプリンタ
名古屋大学は2023年4月18日、同大学大学院工学研究科の研究チームとあいち産業科学技術総合センターが共同で、高温強度に優れたアルミニウム合金を金属3Dプリンタで作製したと発表した。
金属3Dプリンタ技術の一種であるレーザ粉末床溶融結合(L-PBF)法は、既存の製造法では不可能な三次元の複雑な形状の部材を作製できる。
さらに、レーザー照射による超急冷凝固(1秒間に100万度以上の速さで液体金属が固体になる現象)を通じて造形することで、金属造形体の材料組織が微細な構造を取るほか、非平衡状態となることが分かっている。
同研究チームは今回、金属3Dプリンタでの超急冷凝固をシミュレートした熱力学計算を用いて、準安定相を安定化させるマンガン(Mn)元素を組み合わせたAl-Fe-Mn合金を設計した。
高い強度のアルミニウムは、金属3Dプリンタを用いた製造が困難となる。一方で、設計合金では比較的広い製造条件で3Dプリントを行える。
また、設計合金の3Dプリンタ造形材は、200℃以上の高温下において、既存のアルミニウムと比較して高い降伏強度を示した。
電子顕微鏡で観察したところ、高濃度のMn元素が準安定相の内部に存在し、準安定相を安定化していることが判明した。これにより、高温強度が向上したものとみられる。
今回設計されたAl-Fe-Mn合金は、自動車エンジン用圧縮機の回転体部品といった軽量/耐熱部材への応用が期待される。
同研究チームは今後、他の遷移金属元素との組み合わせを理論計算に基づいて試行し、より高温強度を高めたアルミニウムの金属3Dプリンタによる製造を目指す。
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