最新ロボット技術はものづくりの現場をどう変えるか――「2015国際ロボット展」レポート

国内外における産業用・民生用ロボットおよび関連機器を一堂に集めた展示会「2015国際ロボット展」が12月2日~5日、東京ビッグサイトで開催された。

今回のテーマは「RT(ロボットテクノロジー) ロボットと共に創る未来」。展示会には幅広いロボット技術や製品が披露され、技術交流と商談の場となった。国際ロボット展2015に出展された製品の中からfabcross for エンジニアが注目した製品をレポートする。

川崎重工業:IoT活用のメンテナンスサービス「K-COMMIT/TREND Manager」

川崎重工業は人とロボットの協調・共存をテーマに、ロボットの新たな活用分野の可能性および同社ロボットの最新テクノロジーを紹介した。

出展内容はスポット溶接用ロボットBシリーズによる将来の車体組み立て工程の形を提案したほか、塗装では最新ロボットKJシリーズの製品特徴を、実演を通じて訴求した。

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また、IoT関係で、インターネットでつながったロボットがものづくりの現場にもたらす変革と新たな可能性を披露した。

このうちIoT関連では新しいメンテナンスサービスとしてK-COMMIT/TREND Managerを出展。同サービスはM2Mによるロボットのビッグデータ取得・分析によるロボット設備の予防保全(故障予知)を実現している。

同サービスは稼働時のロボット電流指令を取得。取得した電流指令値の分析、トレンド管理を行う。また、ネットワークを介しての遠隔サポートやネットワークカメラを利用した現地状況の把握等、リモートメンテナンスを実施。さらにエラー発生時の情報をメールで自動配信。メールにはセーブデータ・エラーログ等を添付する。

ファナック:振動を抑えて俊敏に動作。学習機能搭載の実用学習ロボット

ファナックは安全柵が不要な35kg可搬協働ロボット、完成車体搬送用ロボット、自動車部品加工用協働ロボットなどの新製品を中心に、同社の主力製品を幅広く出展し、実演を交えてその特徴を紹介した。

その中で、来場者の注目を特に浴びていた商品の1つに、学習機能を搭載した実用学習ロボットがある。

ファナックの学習ロボットはロボット動作時の振動を抑えて俊敏な動作を実現する。ロボット1台当たりの生産能力が高まり、少ないロボットでスポット溶接ラインを構成できるため、システムコストの削減が可能だ。

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ファナックの万能知能ロボット

揺れやすい重い治具やワークの搬送にも効果があり、従来よりも搬送速度を上げることができて、生産能力が向上する。振動を抑えたい箇所に加速度センサを取り付けて、ロボットプラグラムを実行するだけで、自動的に学習を行うことが可能。特別な測定器や操作は一切不要だ。学習を行った後に教示位置の微調整を行っても学習の効果をそのまま維持する。教示位置を大きく修正した場合でも、変更した教示位置以外は学習の高速効果が維持される。

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