ST、FlightSense技術採用の測距センサ「VL53L0X」を発表

STマイクロエレクトロニクス(ST)は2016年6月10日、ToF(Time of Flight)法に基づくFlightSense技術を採用した測距センサ「VL53L0X」を発表した。

VL53L0Xは、従来の赤外線近接センサと異なり、ミリメートル単位の高精度な測距が可能な上に、検知対象物の色彩や反射率の影響を受けない。高速に駆動するFlightSense技術によって、センサに向かってくる動きやセンサから離れる動きのほか、左右への動きも識別できる。また、距離をセンサ内部で計算し、I2Cで通信するため、システムのホスト・コントローラ(マイコン)による処理を最小限に抑えられる。

同製品は、測定距離を2mに向上し、測定誤差を±3%以内に抑えた。また、測距にかかる時間を30ms未満に短縮し、電力効率を高めている。アクティブ測距モード時の消費電力は20mWで、スタンバイ電流は5μAとなる。サイズは2.4×4.4×1mmと類似製品の中で最も小型だという。

内蔵のレーザーが目に安全な波長940nmの不可視光線を放出。これにより、一般的な赤外線近接センサが持つ赤色発光を除去することで、外部光源の干渉に対する耐性を高めた。また、デジタル構造と自動光補正により、周辺光の強い環境で優れた性能を発揮する。

ジェスチャ検知機能やロボット掃除機などのロボット向け各種検知機能(接近検知、壁検知、崖検知、衝突回避機能)のほか、生活家電や洗面用品・設備(水栓、ソープ・ディスペンサ、ハンド・ドライヤー、水洗機能など)のハンズフリー操作といった、さまざまなアプリケーションをサポートする。他には、ノートPCやモニタの自動電源オン/オフのためのヒト検知、ドローン、IoT機器などにも適している。

VL53L0Xには、ソフトウェアAPI、ドキュメント、サンプル・ソースコードが付属。STの32bitマイクロコントローラ開発ボード「STM32 Nucleo」に、VL53L0Xが搭載された拡張ボード「X-NUCLEO-53L0A1」を接続すれば、VL53L0Xの性能を簡単に評価できるという。

VL53L0Xは現在量産中で、12パッドのリフロー型モジュールで提供される。単価は1000個までのサンプル購入時に約2.30ドルとなる。量産時の最少発注数量は5000個だ。

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