大阪府立大ら、酸素発生反応への触媒活性が従来比最大30倍のマンガン酸化物を合成

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大阪府立大学、東京大学、高輝度光科学研究センター、冨士ダイスは2016年11月26日、酸素の還元・発生という2つの電気化学反応に対して優れた触媒特性を示すマンガン酸化物の合成に成功したと発表した。この研究の結果、四重ペロブスカイトという結晶構造のマンガン酸化物の場合、酸素発生反応に対する触媒活性が従来のマンガン酸化物と比べて最大で約30倍になることが明らかになったという。

大阪府立大学らの研究では、さまざまな構造を持つマンガン酸化物の触媒特性を調査。その結果、四重ペロブスカイト酸化物の一種であるCaMn7O12とLaMn7O12が、酸素還元・発生のいずれの反応においても高い触媒性能を示すことを発見した。酸素還元反応に関しては、どのマンガン酸化物も共通して高い触媒活性を示した。しかし、酸素発生反応に対して高い触媒特性を示したのは、上記の四重ペロブスカイト酸化物だけだったという。

また、酸素発生反応に対する高い触媒活性の起源を調べるために、電子状態を理論的に解析したところ、従来型のペロブスカイトと四重ペロブスカイトで電子状態に大きな違いは見られなかった。そこで、SPring-8のBL02B2ビームラインで放射光X線回折データを収集し、リートベルト解析によって精密化した結晶構造に着目して反応メカニズムを検討した。

その結果、四重ペロブスカイトでは吸着物の酸素原子同士が近づくことによって、従来型のペロブスカイトでは起こらないタイプの反応メカニズムが生じている可能性があることが分かった。そして実際に、結晶構造中の隣り合うMn原子間の距離と触媒活性に強い相関があることを示し、結晶構造を変化させることで材料の特性の劇的な向上が可能であることを実証したという。

四重ペロブスカイト酸化物の多くは、合成・製造において数万気圧の超高圧が必要だ。そのため、通常の合成法に比べてコストが高いという難点がある。一方、CaMn7O12は大気圧条件でも合成できるので、安価で大量に製造できる。大阪府立大学らは、今後さまざまな関連化合物の探索と合成手法の開発を進め、実用材料としての展開可能性を検証するという。

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