液体金属を使って原子レベルの薄膜形成に成功――集積回路の積層技術を飛躍させるか

集積回路の処理能力の向上と製造コスト削減を図ろうと、同一面上に薄い電子チップを数多く積層する技術の研究が進んでいる。

しかし既存の製造技術では、スケールアップが難しかったり、550℃以上の高温でないと機能しなかったりと品質面での信頼性の低さが課題となっている。そこで、原子レベルの薄さで半導体の均一な膜を作る技術が求められていた。

豪ロイヤルメルボルン工科大学は融点の低い金属、インジウムとガリウムを使うことで原子レベルの薄膜を作り出すことに成功した。

インジウムとガリウムは、自身を保護するために原子レベルの厚さでその表面に酸化物の層を生成する。この性質を利用し、液体金属を塗布することで生成した酸化物の薄膜を、ウエハ上に転写した後に硫化させた。トランジスタを形成するウエハの前処理としたのだ。

同大学は、この液体金属を使用した技術により、集積回路の分野において大きな進歩をもたらす可能性があると期待している。

関連リンク

Liquid metal nano printing set to revolutionise electronics

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る