マクセルは2018年2月26日、固体電解質とシリコン系負極材料を組み合わせたリチウムイオン電池の大容量化などの高性能化技術を開発したと発表した。
同社によると、リチウムイオン電池はさまざまな産業分野への利用が広まっており、特に機器の小型軽量化が進むIoTデバイス向けの電池に関しては、高エネルギー密度化と信頼性の向上が求められているという。
今回の開発では、固体電解質と同社のリチウムイオン電池の高容量化技術「ULSiON」を組み合わせることによって、高い安全性を保ちながら、大幅な高容量化と作動温度範囲の拡張を実現した。
同技術は、電極材料の表面制御や固体電解質との均一混合、固体電解質層の均一形成、さらに電極層と固体電解質層との界面制御などの同社の技術をベースにしている。同技術よって従来の液系の電解質を用いたリチウムイオン電池と比較し、エネルギー密度を1.5倍に向上させた。また、耐熱性が向上した他、液漏れや発火の可能性を低減させている。
マクセルでは今後、2020年までに同技術を用いたIoTデバイス向けの次世代リチウムイオン電池の実用化を目指すという。